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米を使ったパンやそば、オーツ飲料を選ぶときに、「グルテンフリー」という言葉を目にします。小麦粉を使っていないという意味に捉えがちですが、実際に食事を選ぶ際には、原料や調理の過程まで確認する必要があります。同じ料理でも、セリアック病のある方、小麦アレルギーのある方、好みに合わせてグルテンを減らしている方では、その意味が異なります。グルテンの働きから、パッケージや飲食店で確認したいことまで、順を追って見ていきましょう。
グルテンとパン生地の関係
グルテンは、小麦、大麦、ライ麦などに含まれるたんぱく質に関わる言葉です。パンに使う小麦粉では、グリアジンとグルテニンというたんぱく質が重要な役割を果たします。小麦粉に水を加えて混ぜたりこねたりすると、これらのたんぱく質がつながり、網目状の構造を作ります。生地を引き伸ばしても簡単に切れず、押してから手を離すと元に戻る性質には、この構造が関わっています。
パンを発酵させるとき、酵母が生み出したガスを生地が閉じ込めると、内部に空間ができます。焼いている間にパンの形を保ち、切った断面に大小の穴が残るのも、グルテンの構造が支えているためです。そのため、小麦粉を米粉に置き換えるだけでは、同じパンを作ることは難しくなります。たんぱく質の種類も、生地の構造を支える仕組みも異なるからです。
グルテンフリーのパンでは、別の材料と方法で生地の構造を作ります。複数の粉やでんぷんを配合し、製品によってはキサンタンガムのように生地の形を保つ材料も使います。小麦粉のパンと食感が違うからといって、作り方が間違っているとは限りません。目指すパンに合わせて、材料の組み合わせと水分を調整する必要があります。
家庭で焼く場合も、小麦粉用のレシピの粉だけを置き換えるより、初めからグルテンフリーの材料に合ったレシピを選ぶほうがよいでしょう。粉の名前が同じでも、ミックス粉にはすでにでんぷんや形を保つための材料が入っている場合があります。レシピで別に加えるよう指定された材料が製品に含まれているか確認すると、重複して加えることを減らせます。
パンと菓子では、必要な生地の構造も異なります。発酵して大きく膨らむパンは、伸びる生地の中にガスを閉じ込めなければなりません。そのため、グルテンフリーのパン用ミックス粉と、ケーキや菓子用のミックス粉を同じものとして扱うことはできません。でんぷんや形を保つ材料の配合が変われば、生地の性質も変わります。同じグルテンフリーという名前でも、レシピに合う粉を選ぶのはこのためです。
グルテンフリーの食事を理解するには、食品の性質と、制限が必要になる理由の両方を見ていく必要があります。パン作りでのこうした働きと、一人ひとりの健康状態は、区別して理解することが大切です。パンの中でグルテンが果たす役割を説明しただけで、誰にでも摂取を勧められるわけではありません。また、特定の病気では制限が必要だからといって、すべての人に有害だと判断することもできません。

グルテンを含む穀物
グルテンを避ける食事では、小麦、大麦、ライ麦と、それらに由来する原料を確認します。食パンや小麦粉の麺のように分かりやすい食品もありますが、穀物の別名や加工原料の名前で表示される場合もあります。デュラム小麦から作るパスタやセモリナは小麦に当たり、スペルト小麦も同じ理由で確認が必要です。全粒小麦を使っている、あるいは有機栽培されているという説明は、グルテンを除去したという意味ではありません。
大麦も見落としやすい原料です。ご飯に大麦を混ぜれば、米が主な材料でも、大麦を含む食事になります。大麦から作った麦芽や麦芽エキスを使う製品も、個別に確認する必要があります。パンや菓子の見た目だけで判断せず、どの穀物を使っているかを原材料表示で確かめる習慣が大切です。
ライ麦パンも、その名のとおりライ麦を使っています。小麦とライ麦を交配したトリティケールという穀物も、グルテンフリーの食事で制限する原料に含まれます。海外の食品を買う際に知らない穀物名があれば、なじみのある穀物の名前に当てはめて推測せず、製品の説明やメーカーの案内を確認するほうがよいでしょう。
一方、米、そば、トウモロコシ、ソルガム、キヌア、ジャガイモは、もともとグルテンを含まない食材です。食事を変える際の出発点として使えますが、これらの名前が付いた食品がすべて同じ条件を満たしているわけではありません。そばには小麦粉を混ぜることがあり、トウモロコシの菓子には別の穀物原料や調味料を加える場合もあります。原料の性質は、完成した製品を確認するための最初の手がかりです。
買い物リストを作るときは、避ける必要のある穀物と、使える原料を分けて書いておくと便利です。米やジャガイモを主食の候補にしたうえで、麺やパンのような加工品は、表示と原材料名を別に確認します。こうして分けると、必要以上に食材を除外せずに済み、加工食品を原料の名前だけで選ぶ間違いも減らせます。食べられる原料を見ていくと、食事の選択肢は特別な代替のパンや麺だけではないことも分かります。ご飯を主食にすることも、ジャガイモやキヌアを使った一食を考えることもできます。そばを選ぶなら、その原料の性質を生かしつつ、製品としての麺の配合は別に確認します。普段の食事でそのまま使える材料と、変更が必要な製品を分けると、何をどこまで変えるかが具体的になります。

原料と完成した製品の違い
どの材料を、どの製品に使っているかまで確認する必要があります。米そのものにグルテンがないという事実と、米を使ったパンにグルテンがないという説明では、確認する範囲が異なります。パンを作る際に小麦粉を混ぜたり、小麦由来の別の材料を使ったりすることがあるからです。パッケージの前面に米の写真が大きく載っていても、それだけでグルテンフリーかどうかは判断できません。そばも同じように確認します。そば粉そのものの性質と、販売されているそばの配合は別のものです。そばの含有率が表示されていれば、残りの原料が何かを確認し、付属のソースやつゆの原材料も一緒に読みます。麺だけを変えてソースはそのまま食べると、食事全体が必要な条件を満たすかどうかを見落とす可能性があります。
もともとグルテンを含まない原料でも、収穫、加工、保管、調理の途中で、グルテンを含む食品と接触することがあります。これを交差接触といいます。たとえば、小麦粉と同じ設備でそば粉を製粉したり、小麦粉が残った容器にグルテンフリーの粉を入れたりすると、別の原料が混ざる可能性が生じます。原材料の一覧から、何を加えたかは分かりますが、こうした過程のすべてが説明されているわけではありません。
そのため、セリアック病でグルテンを制限する場合は、グルテンフリー表示とメーカーの管理情報を併せて確認する必要があります。小麦を原料として加えていないという説明だけで、交差接触に関する情報が足りなければ、メーカーにその製品の製造工程と表示基準を問い合わせることができます。問い合わせる際は、会社の全製品について尋ねるより、正確な商品名とパッケージの情報を伝えると、回答の対象が明確になります。
同じブランドでも製品ごとに配合が異なり、後から変更される場合もあります。以前食べた製品だという記憶だけに頼らず、新しく購入したパッケージの表示を読み直すほうがよいでしょう。複数の味がある製品なら、確認した味と購入する味が同じかも確かめます。必要な条件を満たす製品を選ぶうえでは、こうした小さな違いが重要です。
オンラインで買い物をする場合も、商品紹介の写真と実際に届く製品を照らし合わせます。原材料表示が小さくて読めない、あるいは最新のパッケージか分からない場合は、販売者やメーカーに現在の表示を見せてもらうよう依頼できます。商品が届いたら、パッケージに書かれた内容を確認して保管しておきます。メーカーの回答が特定の製品や製造条件に限られているなら、その回答を別の商品にも当てはめて、適していると判断しないようにします。
グルテンの制限が必要になる、それぞれの理由
セリアック病は、グルテンの摂取によって免疫反応が起こり、小腸が傷つく病気です。小腸が食べ物の栄養素を十分に吸収できなくなることがあるため、診断を受けた方にとって、グルテンフリーの食事は治療の重要な一部です。単に食後に胃腸の調子が悪くなる程度のものと捉えたり、症状のない日なら食べてもよいと判断したりすることはできません。
セリアック病と診断された場合は、医療者や栄養士の支援を受けながら、継続してグルテンを避ける必要があります。小麦粉を使った料理を食事から外すだけでなく、加工食品の原料や交差接触にも対処します。何を除くかだけを学ぶより、必要な栄養素をどの食品から摂るかも一緒に計画すると、日常生活で食事を続けやすくなります。
小麦アレルギーは、小麦に含まれるたんぱく質に免疫系が反応する食物アレルギーです。反応する対象は、グルテンだけとは限りません。じんましんや唇の腫れ、呼吸の問題などが起こることがあり、重いアレルギー反応につながる場合もあります。セリアック病と小麦アレルギーを同じ名前で呼ぶと、避けるべき材料や緊急時の対応を誤って理解するおそれがあります。
小麦アレルギーのある方は、グルテンフリー表示だけで小麦を避けられるかどうかを判断しません。グルテンを除去した小麦でんぷんのように、小麦由来の原料を使う製品もあるためです。小麦に関する表示と原材料名の全体を確認し、ご自身の診断と医療者から示された食事の基準に沿って選ぶ必要があります。ほかの穀物をどこまで制限するかも、一人ひとりのアレルギーの状態に合わせて確認します。
食べた後に口や喉が急に腫れたり、呼吸が苦しくなったりした場合は、救急受診が必要です。家庭で食べる量を増やしながら、原因を試すことはしません。すでにアレルギーの診断を受けている場合は、処方された緊急時の薬と行動指針に従います。一般的な食品の説明だけで、個人の反応の程度や食べられる量を決めることはできません。
同居する家族や食事を準備する方には、診断名をそのまま伝えるほうがよいでしょう。セリアック病なら避けるべき穀物と交差接触への対策を、小麦アレルギーなら小麦を制限する基準と緊急時の行動指針を共有します。同じ食卓でも必要な対応は異なるため、「小麦粉が食べられません」という一言ですべての条件を伝えたことにはならないのです。
症状があるときの確認の進め方
パンや麺を食べた後に不調があったからといって、すぐにグルテンが原因だと断定することはできません。腹痛やお腹の張りといった似た症状は、ほかの消化器の問題でも起こります。セリアック病は症状だけで診断するものではなく、医療者が病歴や家族歴などを確認し、血液検査や小腸の生検などを検討します。食べたものと症状を記録しておくと、診察で状況を説明する際に役立ちます。
セリアック病の検査を考えている場合は、医療者に相談する前に、自己判断でグルテンを完全に断たないことが重要です。先にグルテンフリーの食事を始めると、検査結果に影響することがあります。すでに制限している場合は、何を、どのくらいの期間除いていたかを伝える必要があります。検査のために再び食べる必要があるか、その場合はどのように食べるかについても、医療者が個人の状態を見て判断する必要があります。
特に、小麦アレルギーが疑われる方や重い反応を経験した方に、「検査前はグルテンを摂る」という説明をそのまま当てはめてはいけません。自分で小麦を再び食べるのではなく、まず診察でアレルギーの可能性と以前の反応を伝えます。セリアック病の検査を正確に行うための案内と、アレルギーのある方の安全は、併せて考える必要があります。
セリアック病や小麦アレルギーなど、ほかの原因を調べた後も、小麦を食べるたびに症状が繰り返される場合は、非セリアック性グルテン過敏症について医療者に相談できます。この状態を単独で確定する特定の検査はなく、グルテン以外に、小麦に含まれる別の成分が症状に関わっているかどうかも研究されています。小麦を除いたら調子がよくなったという経験は、診察に必要な情報ですが、その経験だけで、どの成分が症状の原因だったかを証明できるわけではありません。
食事の記録には、料理名だけでなく、ソースや付け合わせ、食べた時刻、症状が現れた時刻も書いておけます。たとえば麺を食べたなら、麺の種類と、つゆやソースも一緒に記録します。ただし、記録のために、原因として疑っている食品をわざわざ食べる必要はありません。医療者と診断や食事の計画を進めるための資料として活用してください。
相談の前には、現在除いている食品、制限を始めた時期ときっかけ、以前受けた検査の結果をまとめておきます。食事を変えた後に何が改善し、どの症状が残っているかも、具体的に説明します。こうした記録は診断の代わりにはなりませんが、医療者が次の確認方法を決める際の参考になります。インターネットで見た食事法を試した結果だけで、自分で診断名を付けないほうがよいでしょう。
グルテンフリー表示と20 ppmの意味
グルテンフリーという表現は、原料についての日常的な説明にも使われますが、包装された食品の表示には国ごとの規定が適用されます。米国の食品表示基準では、グルテンフリーと表示する食品のグルテン含有量は20 ppm未満でなければなりません。特定の原料の使用条件も併せて適用されるため、含有量の数値だけで表示要件のすべてを説明することはできません。
ppmは、全体の量に対して百万分のいくつに当たるかを示す濃度の単位です。食品の質量で計算すると、20 ppmは、食品1 kgにグルテン20 mgが含まれる濃度に相当します。食品100 gがちょうど20 ppmだと仮定した場合、グルテンの量は2 mgです。同じ濃度の食品でも、食べる量が変われば、摂取するグルテンの量も変わります。
この計算は、濃度と量の違いを説明するための例です。2 mgなら食べてもよいという個人の許容量や、安全な一食の基準を示すものではありません。また、米国の基準で20 ppmは上限を示す境界値であり、表示要件ではそれより低い含有量が求められます。グルテンフリーという言葉を、検出量がいつも厳密に0であるという意味に捉えると、表示を誤って理解することになります。
米国の基準を、韓国で販売されるすべての製品の法的基準として説明することはできません。韓国国内の製品や輸入製品を選ぶ際は、その製品に適用される表示とメーカーの説明を確認する必要があります。海外の認証マークがあれば、どの機関がどの製品を認証したのかを確かめます。認証ロゴのように見える図柄と、メーカー自身が記載した文言を、同じ根拠として扱わないことも大切です。
パッケージに小麦を使用していないという文言だけがある場合や、小麦を扱う施設で製造したという案内が併記されている場合は、それぞれの意味を確認する必要があります。小麦を加えていないという説明だけでは、大麦やライ麦、製造工程での交差接触まで分かるわけではありません。セリアック病や小麦アレルギーで制限する場合は、自分に必要な条件に関わる表示を、あらかじめ医療者や栄養士と整理しておくと、製品を選びやすくなります。
表示を読んでいて、互いに矛盾するように見える文言があっても、都合のよい文言だけを選んで判断しないようにします。グルテンフリー表示が何を対象にしているのか、小麦に関する案内が何を意味するのかを、メーカーに問い合わせることができます。説明を受けた日付と正確な製品情報を一緒に残しておくと、後で比較しやすくなります。確認できていない表示は未確認として扱い、回答がないからといって適していると結論づけないことが大切です。
オーツ麦を選ぶときの確認事項
オーツ麦は、グルテンについて考える際に混同しやすい原料です。小麦、大麦、ライ麦と同じ基準で単純に分類するのではなく、オーツ麦そのものと、ほかの穀物が混入する可能性を分けて確認する必要があります。一般的なオーツ麦は、栽培や加工の過程で小麦、大麦、ライ麦と一緒に扱われることがあるため、グルテンフリーの食事ではオーツ麦という名前だけで選びません。セリアック病のある方がオーツ麦を食べる場合は、グルテンフリー表示のある製品かを確認し、医療者に相談します。オートミールだけでなく、オーツ飲料、オーツ麦の粉、オーツ麦を使った菓子も、製品ごとの確認が必要です。原料がすべてオーツ麦と書かれていても、その説明だけでは、ほかの穀物との交差接触をどのように管理しているかは分かりません。
オーツ麦には、アベニンというたんぱく質が含まれています。セリアック病のある方の多くは、グルテンフリーのオーツ麦を食べられますが、一部の方はこのたんぱく質に反応することがあります。そのため、ほかの穀物の混入を管理したオーツ麦であることと、個人がオーツ麦そのものに反応するかどうかは、分けて考える必要があります。表示要件を満たしているという事実だけで、個人に反応が起こらないことまで保証されるわけではありません。
オーツ麦を新しく食べ始める場合や、食べた後に不調が繰り返される場合は、製品情報と食べた量を記録して医療者に伝えます。症状がオーツ麦のたんぱく質によるものなのか、別の原料によるものなのか、あるいは別の問題なのかは、一人で判断することは難しいものです。複数の食品を同時に除いたり加えたりすると、何が変わったかを説明しにくくなることがあるため、食事を調整する順序についても相談できます。
オーツ飲料を注文するときも、「オーツ」という名前と、グルテンフリーの条件を区別します。使っている飲料製品のパッケージとグルテンフリー表示を確認できるか、スタッフに尋ねてみてください。カフェでほかの飲み物に使う材料や調理器具まで確認が必要な方は、その範囲も一緒に伝えます。原料の名前だけでなく、実際に提供される飲み物になるまでの過程を確認するということです。
オーツ麦を食べない方も、米やそば、トウモロコシなど、ほかの材料で食事を組み立てることができます。一方、オーツ麦を食べられると案内された場合でも、すべてのオーツ麦製品が同じ条件を満たしているわけではありません。たとえば、オーツ麦を使ったグラノーラは、ほかの穀物や調味料も加えた加工品です。ある原料を食べられるかどうかと、その原料から作った製品を食べられるかどうかは、ここでも別々の判断になります。
ソースや調味料で見落としやすい原料
主食を変えれば、食事全体がグルテンフリーになると思いがちです。しかし、米の麺に使うソース、焼き野菜の調味料、サラダのドレッシングにも、グルテンを含む原料が入ることがあります。米や野菜そのものの性質を確認した後は、一緒に食べる材料まで見ていく必要があります。量が少ないからといって、確認の対象から外さないようにします。
しょうゆは、製品によって小麦を使っています。大豆から作る発酵食品という説明や、伝統的な製法という表現だけでは、グルテンフリーかどうかは分かりません。「たまり」という名前も、製品ごとの配合や表示の確認に代わるものではありません。瓶の原材料表示とグルテンフリー表示を確認し、飲食店では実際に使っている製品について尋ねます。発酵させたからといって、グルテンがなくなったと判断してはいけません。小麦を使ったしょうゆがグルテンフリーの条件に適合するかを確認するには、原料と加工条件の両方を見る必要があります。米国の表示規定でも発酵食品は別に扱われており、通常の小麦を加えて発酵させたという事実だけで、グルテンフリー表示が認められるわけではありません。家庭でも、製品がどの表示基準を満たしているかを確認してから使うと、判断の根拠がはっきりします。
麦芽や麦芽エキスは、大麦由来の原料かどうかを確認します。シリアルや飲料、菓子などに使われる材料なので、「小麦」という文字がないからといって見過ごさないようにします。でんぷんも、何を原料としているかを見る必要があります。コーンスターチやジャガイモでんぷんと、小麦でんぷんでは、もとになる原料が異なります。小麦でんぷんは、グルテンを除去しているかと、完成した製品の表示条件を併せて確認する必要があります。
調味料を確認するとき、すべてのソースをひとまとめに危険だと考える必要はありません。実際の製品情報を確認できるか、グルテンを制限する目的に合っているかを判断すればよいのです。家庭用に新しいソースを購入したら、パッケージの前面より先に原材料名を読みます。飲食店では、「このソースには、小麦や大麦由来の材料が入っていますか」といったように、確認したい材料を具体的に伝えることができます。
家庭で調味料を別の容器に移して保管する場合は、もとの製品名とパッケージの情報も残しておきます。瓶を替えた後、中身だけを見て同じソースだと判断すると、原料を確認し直すことが難しくなります。複数の製品を混ぜて作った調味料なら、それぞれにどのような材料が入っているかを書いておけます。一つの材料の表示を確認したからといって、残りの材料も同じ条件を満たしているとは考えないようにします。
家庭で一緒に調理するときの基準
家族がそれぞれ異なる食事をする家庭では、材料の選び方と、台所での扱い方を併せて計画します。グルテンフリーのパンを買っても、小麦のパンくずが残ったまな板に置けば、別の食品と接触する可能性があります。作業台や調理器具を洗剤できれいに洗い、残っているものを取り除くことが基本です。材料を分けて保管する方法も一緒に決めておきます。
ジャムのように複数の人で使う食品は、パンに触れたナイフを再び入れることで、パンくずが移ることがあります。清潔な器具で必要な量を取り分けたり、別の容器を用意したりする方法が考えられます。家族にただ気をつけてほしいと伝えるより、どの動作で食品が混ざるのかを説明すると、具体的にどうすればよいかを理解しやすくなります。
トースターでは、内部に残る小麦のパンくずを考慮する必要があります。対策としては、グルテンフリーのパン専用のトースターを使う方法や、適切なトースターバッグを使う方法が挙げられます。器具を新しく用意する必要があるか判断する際は、どのような構造で洗いにくいのかと、実際の使い方を併せて確認します。食器をすべて処分して負担を増やすよりも、食品が接触する箇所を見つけて管理するほうが、具体的な対策になります。
調理の最後に再び混ざることもあるため、材料を加える段階から盛り付ける段階まで、続けて確認する必要があります。揚げ物では、小麦粉の衣を使った食品と同じ油で調理していないかを確認します。麺をゆでる場合も、小麦の麺をゆでた湯をグルテンフリーの麺にそのまま使わず、新しい湯を使います。取り出すざるやトング、盛り付ける器も確認します。
家庭で決めた基準は、一緒に調理する方にも分かるよう、簡単に書いておけます。たとえば、保管容器を区別する、ジャムは清潔なスプーンで取り分ける、麺の調理には新しい湯と清潔な器具を使う、といった内容です。セリアック病のある家族の食事を準備する場合は、担当の栄養士とこうした方法を検討し、家庭の状況に合う管理方法を決めるとよいでしょう。
ご飯と豆、焼き野菜で一食を準備する場面を考えてみましょう。原料の名前だけを見れば小麦粉を使う食品はありませんが、野菜に塗る調味料や、豆を煮るソースも加わります。調理を終えた食品が、別のパンを置いていたまな板や共用のトングに触れることもあります。こうした一食では、代わりのパンを探すことより、調味料の内容と材料を扱う動作が、実際に食事の条件を満たすかどうかを左右します。
飲食店での食事の注文方法
飲食店では、グルテンを避ける理由を初めから正確に伝えると、必要な確認を進めやすくなります。「小麦粉を少し減らしたいです」と「セリアック病があるため、交差接触も避ける必要があります」では、依頼する範囲が異なります。小麦アレルギーがある場合は、その診断と避けるべき原料を伝えます。好み、病気、アレルギーを同じ表現で済ませないようにします。
メニューのグルテンフリー表示は、確認のための会話を始める手がかりになります。実際の原料と調理の過程について説明を聞くまでは、その店の食事が自分に適していると断定しないようにします。ソースに小麦を使っているか、パン粉や麦芽が含まれているか、調理器具や作業台をどのように管理しているかを確認できます。原料についての回答と、調理の過程についての回答は、それぞれ必要です。揚げたジャガイモを注文するなら、ジャガイモという材料だけでなく、ほかの揚げ物と同じ油を使うかも尋ねます。麺料理では、麺の配合とスープ、ゆでる湯や器具を併せて確認します。トッピングを外すだけで対応できるのか、すでに混ぜてある調味料のため変更が難しいのかも、注文前に確かめます。スタッフが料理を作る際に確認できる、具体的な質問として伝えるとよいでしょう。
スタッフが原料や共用器具の使用状況を把握していなければ、厨房で確認できるかを尋ねます。確認ができない、あるいは店では必要な条件に対応することが難しいと説明された場合は、その情報をもとに食事を選びます。「たぶん大丈夫だと思います」という回答と、原料や過程を確認したうえでの回答は、区別する必要があります。未確認の内容を、利用者も店側も安全の保証として受け取らないようにすることが大切です。
マヒナでも、特定の料理がご自身の病気やアレルギーの条件に合うかどうかは、注文前に問い合わせて確認する必要があります。ヴィーガン料理を提供しているという事実だけで、小麦を使っていない、あるいは交差接触を管理していると判断することはできません。「セリアック病のためグルテンを避ける必要があるのですが、原材料とソース、調理器具を共用しているかどうかを確認していただけますか」といったように、必要な内容を具体的に伝えることができます。
同行する方が飲食店を予約する場合も、必要な条件を一緒に伝えてもらいます。予約時に話した内容が、当日注文を受けるスタッフと厨房に伝わっているか、改めて確認してください。料理が届いたときに、依頼と異なるソースやトッピングが見えたら、食べる前に問い合わせます。同行する方と同じメニューを選ぶことより、自分に必要な条件を確認し、回答の限界を理解することが優先です。

グルテンフリーの食事の栄養バランス
グルテンフリーという表示だけで、食品の栄養を評価することはできません。同じ表示があるパンや菓子でも、使っている粉、脂質や糖類、食物繊維の含有量は製品ごとに異なります。グルテンを減らす必要のある方に適しているかを確認することと、一日の食事で必要な栄養素を摂ることは、併せて考える必要があります。
全粒穀物のパンやシリアルを除くと、それまで摂っていた食物繊維やビタミン、ミネラルの供給源も変わることがあります。代わりのパンが従来の製品と同程度の栄養を含むかどうかは、栄養表示を比較する必要があります。グルテンフリー製品の中には、置き換える前の製品より糖類や脂質が多いものもあるため、グルテンフリー表示を見て、低糖や低脂肪でもあると思い込まないようにします。
食事を計画するときは、食べられる穀物やジャガイモ、豆類、野菜、果物を幅広く使うことができます。ご飯だけで一食を済ませるより、自分に合うたんぱく質を含む食品と野菜も一緒に選びます。実際の原料と調理条件を確認できた食品の中で、選択肢を広げていく考え方です。制限によって食べるものの種類が減り続けている場合は、栄養士に食事の記録を見せて、代わりに何を食べるかを相談できます。
セリアック病と診断された方は、小腸の損傷に関わる栄養状態を医療者が確認することがあります。必要な検査やサプリメントは、その結果と個人の状態に応じて決めます。グルテンフリーの食事をしているからといって、あらゆる栄養補助食品を摂ったり、疲労の原因を特定の栄養素の不足と決めつけたりする必要はありません。食事の調整と診療を併せて続けていくことが大切です。
グルテンに関連する病気のない方に、グルテンフリーの食事による体重減少や健康全般の改善を保証することはできません。栄養を考えるうえでは、パンを別のパンに替えたという事実より、一日に何をどれだけ食べるかが重要です。グルテンを避ける医学的な理由があるなら、その条件を優先して守り、好みで選ぶ場合は、製品の栄養と食事の組み合わせを一緒に確認すればよいでしょう。
栄養表示を比較するときは、表示の基準となる量も併せて確認します。一方の製品は一切れ当たり、もう一方は100 g当たりの表示なら、書かれた数値をそのまま比較することは難しくなります。同じ量にそろえるか、自分が実際に食べる量を基準に考える必要があります。グルテンフリーの食事の栄養を考える際も、この基本は同じです。グルテンを除いているという説明と、実際の一食から得られる栄養は、別の情報です。
ヴィーガンとグルテンフリー、それぞれの条件の確認
ヴィーガンとグルテンフリーでは、確認する対象が異なります。ヴィーガンの食事では、肉や魚だけでなく、卵や乳製品などの動物性食品も使いません。グルテンフリーは、小麦、大麦、ライ麦などのグルテンを避ける条件を指します。そのため、ヴィーガンと表示された料理に小麦粉が入ることも、グルテンフリーのパンに卵や牛乳が入ることもあります。
両方の条件を求める方は、それぞれの表示と原材料名を確認する必要があります。米粉を使っていても牛乳が入ったパンと、小麦粉を使っていても動物性の材料が入っていないパンでは、満たしている条件が異なります。どちらがよりよい食品かと順位を付けるより、自分の食事の基準に合っているかを確認すればよいのです。
豆類やナッツを使った代替食品も、原料が植物性だからといって、すべてのアレルギーに対応しているわけではありません。グルテンを避ける必要があり、ほかの食物アレルギーもある場合は、確認すべき原料がさらに増えます。ヴィーガン、グルテンフリー、ナッツ不使用といった説明を一つの安全表示としてまとめず、必要な条件をそれぞれ確認するとよいでしょう。
買い物の前に、「動物性の材料を除いています」「セリアック病のため、グルテンと交差接触を避ける必要があります」といったように、自分の基準を整理しておけます。一緒に食事をする方にも必要な範囲を伝えておくと、飲食店を選んだり材料を準備したりするときの混同を減らせます。病気のある方に、好みに合わせて少しだけ減らす食事を勧めたり、好みで選んでいる方に、診断を受けた方と同じ説明を求めたりする必要はありません。
グルテンフリーの食事を準備するときは、材料を選ぶことからもう一歩進んで、どのような一食にするかを考えてみてください。ご自身の健康状態と必要な調理条件を確認し、食べられる材料の中で、好きな味や組み合わせを見つけていければよいのです。
マヒナのグルテンフリー分類は、ご案内しているメニューの構成を基準にしており、共用の調理スペースでは交差接触が起こる可能性があります。セリアック病でグルテンを避ける必要がある方や、小麦アレルギーなどの食物アレルギーがある方は、注文前に必要な条件をスタッフへお伝えいただき、対応できる調理条件をご確認ください。
ヴィーガンとグルテンフリーの条件を併せて確認したい方は、マヒナヴィーガンテーブルの食事も参考にしていただけます。米を使ったリゾットや野菜料理など、メニューでご案内している食事をマヒナヴィーガンテーブルのグルテンフリーメニューでご覧ください。どの材料を使い、どのように組み合わせているかを見ておくと、一緒に食事をする方ともメニューを選びやすくなります。





