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ご飯や豆、豆腐、野菜、果物は、ヴィーガンの食卓でもおなじみの食材です。ヴィーガンの食事では、こうした植物性の食材で一食を組み立てます。肉や魚、その他の魚介類だけでなく、牛乳、卵、はちみつなど、動物から得られる食品も使いません。好きな料理の味や食感を思い浮かべながら、食材を選んでみてください。必要な栄養素を十分にとるためには、食品の種類と食べる量にも目を向けましょう。
ヴィーガンの食事に関心を持つきっかけは、人それぞれです。動物の扱われ方に関心を持つこともあれば、健康を気遣って食事の組み合わせを変えてみたくなることもあります。知人と新しい料理を一緒に味わったことがきっかけになる場合もあります。どのようなきっかけで出会ったとしても、ヴィーガンの意味を知り、食材や栄養を確かめておくと、自分の暮らしに合う一食を用意しやすくなります。
食事と暮らしにおけるヴィーガンの意味
生活スタイルとしてのヴィーガニズムは、実践できる範囲で、動物を食べ物や衣類、その他の目的のために利用することを避けようとする考え方を土台にしています。動物をどのように扱っているかを考え、日々の選択に反映するということです。食事では、動物性食品を使わないという原則につながります。野菜の量を増やした食事とヴィーガンの食事には、使用する食材の範囲に違いがあります。
暮らし全体へと関心を広げると、革や毛皮のように動物から得られる素材や、動物実験に関わる製品にも目が向くようになります。一食のメニューを説明するときは料理に使われた食材を、生活スタイルについて話すときは日常の選択も含めて考えます。ヴィーガンの食事を味わうことから始めて、気になることをさらに調べてみるのもよいでしょう。
ヴィーガンの料理にも、さまざまな味や調理方法があります。温かいご飯と汁物、焼いた豆腐、豆のスープなど、なじみのある食事を用意できます。食材を焼く、煮る、発酵させる、すりつぶしてソースにするなどの方法も活用します。新鮮な野菜を楽しみたい日はサラダを、温かいものが食べたい日は豆と野菜を使った料理を選ぶなど、好みに合わせてみてください。
食卓では、生活スタイルの呼び方とともに、今日食べる料理の内容にも目を向けてみてください。初めて味わう一食で、その後の食生活をすべて決める必要はありません。自分に合う食材で作った料理を食べてみて、気に入った組み合わせを次の食事にも取り入れてみましょう。
1944年に生まれた「ヴィーガン」という言葉
ヴィーガンという言葉は、1944年にイギリスで生まれました。ドナルド ワトソンと仲間たちは、乳製品を食べない菜食者の食事と暮らしを表す新しい名称を探していました。当時使われていた「乳製品を食べない菜食者」という長い表現に代わり、vegetarianの最初の三文字と最後の二文字をつなげたveganを使うようになりました。同じ年の11月には、この食事と生活スタイルについて話し合う団体が設立されました。
その後、食事から動物性食品を除くことに加え、動物を利用するあり方そのものを見直す考え方として定義されるようになりました。今日、ヴィーガニズムを説明する際に、食事だけに話を限らないのはこのためです。一方、動物性食品を避ける習慣や考え方は、この名称が生まれる以前から、さまざまな形で存在していました。1944年は現在使われている名称と団体が生まれた年であり、すべての菜食の伝統が始まった年とはいえません。
名称の由来を知ると、ヴィーガンと菜食を同じ意味で使いにくい理由も理解できます。菜食という大きな枠組みの中で、乳製品や卵を食べるかどうかによって食事の内容が分かれ、ヴィーガンは動物性食品をすべて除く範囲を指すようになりました。そのため、飲食店で「菜食のメニューはありますか」と尋ねる場合と、「乳製品や卵、はちみつも使わないメニューはありますか」と尋ねる場合では、確認が必要な項目が異なります。
一緒に食事をする方にとって初めて聞く言葉であれば、食べられるものと、どのような食材で作ってほしいかを具体的に伝えてください。「だしやソースまで植物性の食材で作った料理を探しています」と伝えると、準備する方も何を確認すればよいかが分かります。食事の呼び方を説明したうえで、実際の料理について話すと、一緒に選べるメニューを見つけやすくなります。
菜食の種類と「植物性」という表現の違い
菜食は、乳製品や卵などを含むかどうかによって、いくつかの種類に分かれます。ラクトオボベジタリアンは、肉類、魚、その他の魚介類を食べず、乳製品と卵を食べます。ラクトベジタリアンは乳製品を食べて卵を除き、オボベジタリアンは卵を食べて乳製品を除きます。ヴィーガンの食事では、はちみつを含む動物性食品を使いません。一緒に食事を用意するときは、チーズや卵を入れてもよいかなど、食材を具体的に確認しましょう。
魚やその他の魚介類を食べるペスコベジタリアンの食事や、植物性の食品を選ぶ機会を増やしながら、肉を食べる量や頻度を減らすフレキシタリアンという表現もあります。こうした名称は、食事の内容を話すときに役立ちます。ただし、人によって使う意味が異なることもあるため、料理を用意するときは、希望する食事の内容と避ける食材を合わせて確認します。皆さんで取り分ける料理なら、ソースやトッピングまで含めて話してみてください。
「植物性」や英語のplant-basedも、使われる文脈によって意味の範囲が変わります。植物から得られる材料だけで作った食品を指すこともあれば、植物性食品を中心にしながら動物性食品も一部食べる食生活を表すこともあります。「植物性のパティを使用」という説明があっても、バンズやソースまで動物性の原材料を使っていないとは限りません。メニューや製品では、原材料全体を確認する必要があります。
例えばバーガーなら、パティ、バンズ、ソース、トッピングをそれぞれ確認できます。パティが豆で作られていても、バンズに牛乳や卵が入っていたり、ソースに一般的なマヨネーズやチーズが使われていたりする場合があります。一方、普段食べているご飯やゆでた豆にヴィーガンの表示がないからといって、動物性食品になるわけではありません。表示の有無と、実際に何が使われているかを合わせて見る習慣が大切です。
家庭で食事を変えてみるときにも、同じ考え方を取り入れられます。植物性の食品を食べる機会を増やしたいなら、普段のおかずの材料を確認し、ヴィーガンの食事を用意したいなら、調味料やスープも含めて動物性の材料を使わないようにします。目的を分けて考えると、どこまで変える必要があるかが見えてきます。誰かの食生活に名前を付けるよりも、今日用意する一食にどんな食材を使うかを話すほうが実用的です。
健康とコレステロールを考えた食事
健康のために食事の内容を変えたり、食べ物から摂取するコレステロールを減らしたりしたいときにも、植物性の食事を選択肢にできます。食事由来のコレステロールは、肉や乳製品などの動物性食品に含まれています。こうした食品を使わないヴィーガンの食事は、食事由来のコレステロールの供給源を除く方法です。豆や豆腐、穀物、野菜などを使って、食事の組み合わせを変えてみることができます。
食品に含まれるコレステロールと、血液検査で確認するコレステロール値は、区別する必要があります。コレステロールは細胞やホルモンを作るために必要な物質で、私たちの体も必要なコレステロールを作っています。血中の数値には、食事や生活習慣だけでなく、遺伝的な要因や健康状態も影響します。そのため、動物性食品を食べないということだけで、検査値がどう変わるかをあらかじめ知ることはできません。
血中コレステロールを管理するには、食事由来のコレステロールに加えて、脂肪の種類も確認します。飽和脂肪酸を多くとると、LDLコレステロールが高くなることがあります。植物から得られるココナッツオイルやパーム油にも、飽和脂肪酸が多く含まれているため、ヴィーガンの製品を選ぶ際も栄養成分表示を読んでみてください。豆やオーツ麦、果物などから水溶性食物繊維をとる食事も、LDLの管理に役立つことがあります。
一つの食品を替えることから始めた方は、穀物、たんぱく質源となる食品、野菜をどう組み合わせるかも考えてみてください。ヴィーガンのお菓子やデザートも、日々の一食も、それぞれの栄養と食べる量を確かめましょう。コレステロール値を管理している場合は、検査結果や必要な食事の調整について医療スタッフに相談し、治療中であれば食事の変更についても伝えてください。
だしやソースの材料まで確かめる方法
メニューを選ぶときは、主な食材に続いて、スープや調味料の材料も確認します。野菜のスープに動物性のだしを使ったり、炒め物に魚醤を加えたり、サラダのドレッシングに乳製品を入れたりすることもあります。ヴィーガンのメニューを探すなら、スープやソース、調理用の油脂、トッピングまで植物性の材料で用意しているかを尋ねてみてください。製品の場合は、原材料名を読みます。乳清とカゼインは牛乳から得られる成分で、プロテインバーやプロテインパウダー、加工食品などに入っていることがあります。乳糖を取り除いた乳製品も牛乳から作られる食品なので、「乳糖を含まない」と「ヴィーガン」は区別して考えます。
ゼラチンは一般に、動物の皮、骨、結合組織から得られる材料です。ゼリーやデザートを固めるために使われますが、見た目だけで動物性かどうかを判断するのは難しいものです。ヴィーガンの食品を選ぶときは、寒天や、ほかの植物由来の材料を使っているかを確認できます。はちみつも、みつばちが作る食品なので、ヴィーガンの食事では使いません。甘みが必要な料理には、用途や好みに合う別の材料を選びます。
ワインやビールのように、主な原材料が植物由来の飲み物でも、製造過程で確認したいことがあります。一部の生産者は、液体を澄ませる工程で、ゼラチン、魚から得られるアイシングラス、卵白、カゼインなどを使います。すべてのワインやビールがそうした方法で作られているわけではないため、ヴィーガンに適しているかどうか、生産者の案内を確認します。ぶどうや穀物から作られているという説明だけでは、製造過程全体を判断できません。食品を買うときは、すべての成分名を覚えようとするよりも、よく食べる製品から確認する方法をおすすめします。朝食のシリアル、一緒に飲む飲料、よく使うソースなど、一度確認しておくと次の食事でも使えるものから選びましょう。名前になじみがなかったり、動物性かどうかが分かりにくかったりする成分は、その原料と製品がヴィーガンに適しているかをメーカーに尋ねることができます。似た製品でも、配合が同じだとは考えないようにしましょう。

身近な食材で作る味と食感
ヴィーガンの料理を考えるときは、肉を何に替えるかとともに、一口食べたときにどんな味や食感を楽しみたいかを思い浮かべてみてください。柔らかい豆腐を中心にするか、歯ごたえのある豆や野菜を組み合わせるか、焼いた食材にしっとりしたソースを添えるかによって、食事の印象が変わります。同じ植物性の食材でも、切る大きさや調理方法、添える料理を変えると、違う一皿に仕上げられます。以下の組み合わせは、家庭で試せる食事の提案です。
豆腐はそのまま切って調味料を添えたり、焼いてご飯と一緒に出したりできます。滑らかで柔らかい豆腐なら、ソースや野菜を別々に盛り付けて食べる一食を用意しやすくなります。しっかりした豆腐を選んだ場合は、大きめに切って焼き、細かく切ったトマトやきゅうりと一緒に盛ってみてください。食べたい食感に合わせて豆腐を選び、塩味や酸味のある調味料を少しずつ加えながら、自分の好みを探せます。
豆の使い方もさまざまです。ゆでたひよこ豆に野菜とドレッシングを混ぜたり、レンズ豆とトマトを一緒に煮てご飯に添えたりできます。豆を一から調理するのが手間なら、原材料や味付けを確認した缶詰を使うこともできます。豆を特別な代替食品として捉えるよりも、ご飯や麺とともに一食を構成する食材と考えると、普段の食事に取り入れやすくなります。
きのこやなす、にんじんなどの野菜は、一皿の中で形や歯ごたえに変化をつけるために活用できます。大きく切った食材と細かく切った食材を組み合わせたり、加熱した野菜に新鮮な葉物野菜を添えたりしてみてください。好みに合わせて、ハーブやレモン汁、植物油を少しずつ加えて味を調えます。特定の野菜に肉とまったく同じ味を期待するよりも、その食材をどんな形にすると食べやすいかを考えるとよいでしょう。
ソースが必要なら、ナッツや種子、豆を使った組み合わせを試せます。アレルギーのない方は、ごまやナッツを細かくすりつぶし、水や調味料を混ぜて、好みの濃さに調整してみてください。ナッツを避ける必要がある場合は、豆腐や豆を使う方法も考えられますが、大豆にもアレルギーがある場合は、さらに別の組み合わせが必要です。材料を替えるたびに、ヴィーガンの条件と、その方が避ける食品の両方を確認します。
豆腐を使った丼を用意するなら、大きめの豆腐をご飯の上に盛り、細かく切ったきゅうりやトマトを横に添えてみてください。柔らかい豆腐と、しゃきっとした野菜を一緒に楽しめる組み合わせになります。ドレッシングを別の器に入れると、まずは豆腐を一口食べ、次は野菜とソースを添えて味わえます。豆を加えたり、別の野菜に替えたりして、一杯の内容を変えてもよいでしょう。最初から特別な食材を探すのではなく、好きな食感を中心に一皿を用意する方法です。
一食に取り入れる食品の組み合わせ
ヴィーガンの食事を用意するときは、穀物やじゃがいもなどの食品、豆や豆腐などたんぱく質源となる食品、野菜や果物を幅広く使います。カルシウムなど必要な栄養素を加えた食品や、適切なサプリメントの利用も、食事計画に組み込めます。サラダという名前や野菜の色だけで一食の栄養を判断するのではなく、何をどれだけ食べるかを確認しましょう。植物性の食品でも、組み合わせや量によって食事の内容は変わります。
朝食では、穀物と栄養強化された植物性飲料を組み合わせてみることができます。例えば、オートミールに自分が飲める飲料を加え、果物とナッツや種子を添えます。製品によって、たんぱく質や添加された栄養素の含有量が異なるため、飲料の名前だけでなく表示も確認しましょう。パンを食べるなら、材料を確認したパンに、豆をつぶしたスプレッドと野菜を添える方法もあります。
昼食には、ご飯、豆腐または豆、野菜を一つの器に盛ってみてもよいでしょう。ご飯の上に焼いた豆腐と加熱した野菜をのせ、必要な分だけ調味料を加えれば、それぞれの食材を別々に用意して組み合わせられます。食事の量は、自分の活動量や食欲に合わせて調整します。ご飯や麺を無条件に抜くよりも、一日に食べるものの組み合わせを見て、特定の食材だけに頼らないように計画するとよいでしょう。
夕食には、トマトと豆を煮た料理にご飯を添えたり、野菜と豆腐を入れた汁物に穀物を組み合わせたりできます。スープのベースや、使う調味料まで植物性かどうかを確認します。麺類やパスタを用意するときは、麺の原材料を確かめたうえで、豆類や野菜を添えましょう。麺とソースがヴィーガンだからといって、すべての栄養素を十分にとれる食事とは限りません。
忙しい日に備えて、いくつかの組み合わせをあらかじめ決めておくのもよいでしょう。よく食べる穀物、用意しやすいたんぱく質源の食品、好きな野菜を書き出し、入れ替えながら組み合わせてみてください。同じ豆腐のおかずを二日続けて食べるとしても、添える穀物や野菜を変えられます。食事計画を細かく決めすぎるよりも、実際に買って保存し、食べられる食材を中心にリストを作ると、無理なく準備を続けやすくなります。
間食や飲み物も、一日の食事に含まれます。ヴィーガンのお菓子やデザートにも糖類、脂肪、塩が含まれることがあるため、ヴィーガンという表示だけで栄養面を評価しないようにしましょう。好きな間食を楽しむことと、食事にさまざまな食品を取り入れることは、両立して考えられます。外食で楽しんだ一皿をそのまま毎日の献立にするよりも、家庭での食事や飲み物まで含めて、自分がよく選ぶものを見直してみてください。

たんぱく質源となる食品の選び方
豆類、レンズ豆、ひよこ豆、豆腐、テンペ、ナッツ、種子は、植物性のたんぱく質をとれる食品です。植物性の食事でたんぱく質を確保するには、こうした食品を実際の食事に取り入れます。野菜だけを食べる食事だと考えると、大切な食材を見落としがちです。まずは自分の食事で何がたんぱく質源になっているかを確かめ、そのうえで食べる量や一日の食事の組み合わせを見てみましょう。
食品の形や名前だけで、たんぱく質の量を判断しないことも大切です。植物性のパティや肉の代替食品は、原料や配合によって栄養成分が異なります。大きめのきのこを焼いたからといって、豆腐と同じ栄養がとれるわけではなく、植物性飲料のたんぱく質の量も、すべて同じではありません。加工食品は栄養成分表示を確認し、身近な豆や豆腐など、ほかの食品も合わせて活用しましょう。
家庭で用意するときは、ご飯や麺を決めてから、そこに添えるたんぱく質源の食品を考えてみてください。豆を混ぜたご飯に豆腐のおかずを添えたり、パスタにレンズ豆入りのソースを使い、野菜と一緒に食べたりできます。一つの食品にすべての役割を担わせる必要はありません。食事の中心を決めてほかの食材を加えていく方法で、自分が食べやすい組み合わせを探しましょう。
必要な食事の量は、運動量や健康状態、年齢によって異なります。十分に食べられなかったり、体調のために特定の食品をかなり制限していたりする場合は、専門家と一緒に自分の食事を確認できます。プロテインパウダーやサプリメントも原材料を確かめる必要があり、製品がヴィーガンということだけで、自分に必要な量を決めることはできません。普段の食事と利用する製品を合わせて検討するほうが、正確に把握できます。
ビタミンB12を別に確保する理由
ビタミンB12は、血液や神経細胞の健康に必要な栄養素です。栄養強化されていない植物性食品を、信頼できるB12の供給源として期待するのは難しいものです。ヴィーガンの食事を続けるには、B12を加えた食品やサプリメントで、安定して摂取できる方法を用意します。豆や野菜を幅広く食べることは大切ですが、それだけでB12を補う準備までできたとはいえません。
栄養強化食品とは、必要な栄養素を加えた製品のことです。一部のシリアル、植物性飲料、ニュートリショナルイーストなどには、B12を加えたものがあります。同じ種類の食品でも、すべての製品に含まれているわけではないため、包装に記載されたB12の含有量を確認します。ニュートリショナルイーストという名前や、発酵食品であるという理由だけで、B12が十分に含まれているとは判断しません。食事計画に取り入れるには、実際の製品を確認する必要があります。
日々の摂取計画と、欠乏状態の治療は区別する必要があります。サプリメントを検討するときは、製品の含有量や摂取方法を確認し、自分の健康状態や服用中の薬も合わせて考えます。年齢やライフステージ、吸収の状態によって必要な対応が変わることがあるため、一つの摂取量をすべての方に当てはめることはできません。すでに欠乏と診断されていたり、症状があったりする場合は、食品の選び方だけで解決しようとせず、医療スタッフの評価を受けてください。
実践する方法は、日常の中で忘れずに確認できるものにしましょう。よく食べる栄養強化食品の表示を保管したり、専門家と決めた補給計画を食事の記録とともに管理したりしてみてください。新しい製品を買うときは、以前の製品と含有量が同じだとは考えないようにします。変えた食事を長く続けるには、食べない食品だけでなく、継続して確保する栄養素も合わせて計画すると役立ちます。
鉄、カルシウム、ヨウ素の確認方法
植物性食品に含まれる鉄は主に非ヘム鉄で、体への吸収の程度は、食品や食事の組み合わせに影響されます。豆類、鉄を加えた食品、一部のナッツなどを食事に活用できます。ビタミンCを含む野菜や果物を一緒に食べると、植物性食品に含まれる鉄の吸収を助けます。豆を使った食事にトマトやブロッコリーを添えるなど、普段食べている食材の組み合わせを考えてみてください。
貧血や鉄不足が心配でも、疲労感だけで原因を決めつけたり、自己判断で鉄のサプリメントを増やしたりしないようにしましょう。必要量や不足の有無は、年齢、月経や妊娠、健康状態などによって異なります。鉄のとりすぎも体に害を及ぼすことがあるため、検査も含めて医療スタッフの評価を受けるとよいでしょう。その際、普段の食事やすでに利用しているサプリメントも伝えると、実際の摂取状況を確認しやすくなります。
牛乳や乳製品を食べない食事では、ほかのカルシウム源を用意します。カルシウムを加えた植物性飲料、カルシウムを含む凝固剤を使った豆腐、一部の葉物野菜などを活用できます。植物性飲料や豆腐という名前だけではカルシウムの量は分からないため、製品の表示を確認します。カルシウムは骨だけでなく、筋肉や神経の働きにも必要で、ビタミンDはカルシウムの吸収に関わります。自分がよく食べる食品の中から、供給源を探してみてください。
ヨウ素は、甲状腺ホルモンを作るために必要です。動物性食品を食事から除く場合は、普段どこからヨウ素をとっているかを確認する必要があります。海藻にはヨウ素が含まれていますが、種類や製品によって量が大きく異なることがあります。そのため、昆布などの海藻をたくさん食べて摂取量を調整しようとするよりも、食事全体と、ヨウ素を加えた製品の表示を確認しましょう。ヨウ素のとりすぎも、甲状腺の問題を引き起こすことがあります。
栄養素ごとに供給源や管理の方法が異なるため、一つの食品ですべてを解決しようとしないことが大切です。普段飲んでいる飲料のカルシウムとB12の表示、豆類を食べる頻度、サプリメントの成分などを、順に確認してみてください。妊娠中や授乳中の方、成長期の子どもの食事を用意する方、健康上の理由から複数の食品を除く方は、それぞれの生活段階に合った相談を受けましょう。一般的な成人向けの食事例を、そのまま当てはめるのが難しい場合です。
製品表示とアレルギー情報の読み方
ヴィーガンの表示、栄養成分表示、アレルギー表示は、それぞれ異なる情報を伝えています。ヴィーガンの表示は動物性原料の使用の有無を確認するのに役立ち、栄養成分表示ではエネルギー、たんぱく質、糖類、脂肪、ナトリウムなどの量が分かります。アレルギー情報では、自分が避ける食材と、交差接触についての案内を確認します。包装の表面にある一つの言葉だけで、この三つすべての確認を済ませないようにしましょう。製品を比べるときは、表示された量が何を基準にしているかも読みます。一袋全体の栄養成分なのか、一定の重さ、あるいは一回に食べる量を基準にした表示なのかを確認する必要があります。小さな包装と大きな包装の数値をそのまま比べると、実際に食べる量を見落とすことがあります。植物性飲料なら、飲む量に含まれるたんぱく質や添加された栄養素の量を確認し、食事や間食で使う量を基準に製品を選びます。
ヴィーガン認証についても、認証機関ごとの基準や確認範囲を調べられます。製品の動物性成分だけでなく、製造や原料の開発過程、動物実験、交差接触を減らす手順を確認する基準もあります。ただし、認証マークを、アレルギーの原因となる成分がまったく含まれていないという保証と受け取ってはいけません。アレルギーのある方は、認証とは別に、原材料、注意表示、必要な調理条件を確認する必要があります。
ヴィーガンの食品にも、大豆、小麦、ナッツ、ごまなど、植物由来のアレルギーの原因となる食材が含まれることがあります。動物性の材料を意図的に使っていなくても、製造や調理の過程で牛乳や卵などと接触する可能性があります。ヴィーガンの表示と、特定のアレルギーの原因となる食品を除いているという表示は、異なる情報です。特にアレルギーのために食品を避ける場合は、自分の状態に合った安全確認を優先してください。
よく食べる製品でも、購入するときには原材料と注意書きを改めて確認してみてください。製品を替えた場合は、表面のヴィーガン表示だけでなく、これまで確認していた項目も確かめます。分からない成分や調理条件については、メーカーや料理を提供するところに具体的に尋ねられます。答えが曖昧な場合は、見た目や以前食べた経験だけで安全だと判断せず、必要な条件を確認できる別の選択肢を探しましょう。
初めて購入した植物性飲料を料理に使ってみたいときは、一度にいくつもの料理に入れるより、簡単な朝食で試してみることができます。無加糖の製品を穀物に加えて果物を添えたり、好きな飲み物に少量加えたりして、自分の好みに合うかを味わってみてください。同じ名称の植物性飲料でも、食事のほかの食材と一緒に口にしたときの味の感じ方は、人によって異なることがあります。栄養成分表示の確認とは別に、飲みやすい製品を見つけておくと、必要な栄養素を添加した製品を食事に取り入れる計画も立てやすくなります。
グルテンフリーと五葷抜きの違い
ヴィーガンとグルテンフリーは、異なる基準です。ヴィーガンは動物性の材料を除く食事で、グルテンフリーは小麦、大麦、ライ麦などに含まれるグルテンに関する食品基準に従うものです。小麦粉と水で作るパスタは、植物性の材料だけで作れますが、グルテンを含みます。一方、米から作る食品でも、牛乳や卵を使っていれば、ヴィーガンの食事に合わない場合があります。両方の条件が必要なら、それぞれ確認します。
植物性の肉の代替食品も、製品ごとに確認する必要があります。小麦グルテンを使う食品もあるため、「植物性」という説明をグルテンフリーと受け取らないようにしましょう。ヴィーガンとグルテンフリーの両方の条件を満たすには、主な原材料、調味料、ソースに加え、製造や調理の際に何と接触するかも確認します。医学的な理由でグルテンを避ける必要がある場合は、その理由を料理の提供者に伝え、必要な管理の程度を医療スタッフと相談してください。
五葷抜きは、ねぎやにんにくなど、五葷と呼ばれる香りの強い五種の野菜を避ける食事条件で、ヴィーガンとは別の基準です。ヴィーガンの料理にはにんにくや玉ねぎを使えますし、五葷抜きという説明だけでは、乳製品や卵まで除いているかは分かりません。地域や食習慣によって避ける食材の範囲が異なることがあるため、具体的な食品名を伝えてください。ヴィーガンで、かつ五葷抜きの食事を希望する場合は、両方の条件を伝えます。
ナッツを避けるナッツフリーのような条件も、別に確認します。ナッツを使っていないヴィーガンの料理でも、大豆や小麦など、ほかの食材を使っていることがあります。複数の条件が重なる場合は、「食べられないものが多い」と伝えるよりも、除く必要のある食材と、交差接触の管理が必要かどうかを分けて伝えてください。料理を用意する方は、その情報をもとに、実際に対応できるメニューや調理条件を確認できます。

家庭や外食で一緒に食事を楽しむ方法
家庭でヴィーガンの食事を始めてみたいなら、よく作る料理を一つ選び、使う材料をすべて書き出してみてください。ご飯と豆腐のおかずを用意するときは、豆腐に添える調味料を、汁物を作るときは、だしも合わせて確認します。すでに植物性の食材はそのまま使い、必要な部分だけを替えます。買い物の前に新しく必要な製品を書いておくと、似たソースや飲料をいくつも買って、どれを使うか迷うことを減らせます。
買い物リストは、穀物、豆や豆腐、野菜や果物、必要な栄養強化食品に分けてみることができます。冷蔵庫にある食材と今週食べる料理を結び付け、調理する時間が足りない日の組み合わせも決めておきましょう。ヴィーガンの食事に関心を持ったからといって、特別な製品をすべてそろえる必要はありません。身近な食材を活用しながら、自分の好みや暮らしに合う食事を一つずつ増やしていけます。
飲食店では、注文する前に、避ける食材を簡潔に伝えます。「肉、魚、動物性のだし、乳製品、卵、はちみつが入らない料理をお願いします」のように、必要な範囲を伝えられます。メニューの名前だけでは分からない場合は、ソース、トッピング、調理用の油脂も確認します。予約や団体での食事の準備の際にあらかじめ尋ねておくと、実際に対応できるメニューを選ぶ時間を確保できます。
アレルギーがある場合は、ヴィーガンの希望とは別に説明してください。「牛乳を口にしません」という言葉が食事の方針なのか、牛乳アレルギーのために交差接触も避ける必要があるという意味なのかを、料理を提供する方が分かるようにする必要があります。同じフライパンや調理器具、作業台を使うかなど、必要な条件を具体的に尋ね、実際に対応できる範囲を確認しましょう。メニューの食事分類だけで、調理を分けることや交差接触を防ぐことが保証されているとは考えないようにします。
知人と一緒に食べる料理は、食事の前に内容を共有することをおすすめします。用意する方に避ける食材を伝え、皆さんが一緒に食べられるご飯や野菜、豆の料理などを一品か二品提案してみてください。必要であれば、ソースやトッピングを別の器に盛れるかも相談します。すでに並んだ料理から食材を取り除くよりも、準備の段階で話しておくと、お互いに確認することを減らせます。
初めてヴィーガンの食事を食べる知人には、料理の材料や食べ方を紹介するとよいでしょう。豆を入れたトマト料理なのか、豆腐と野菜を添えたご飯なのか、具体的に伝えてください。その方が一食を味わうことと、これからの食生活を決めることは、分けて考えられます。食卓で、どの料理がおいしかったか、どんな食感がよかったかを話すと、次に一緒に食べるメニューを選ぶときにも役立ちます。
気に入った食事が見つかったら、使った材料や組み合わせを覚えておき、次の一食にも取り入れてみてください。よく食べるものの原材料や栄養を確認し、B12のような必須栄養素を継続して確保する方法も用意します。なじみのある料理から始めて、自分の好みや暮らしに合う食事を見つけていきましょう。
植物性の食材で作った料理を外で味わいたいときには、Mahina Vegan Tableで食事を楽しむという選択肢もあります。パスタやバーガー、ピザといったおなじみの料理を、植物性の食材でどのように作っているか、Mahina Vegan Tableのメニューでご覧ください。一緒に食事をする方とメニューを選びながら、好みの味を探すのもよいでしょう。





